***************************************************************************************
   「はり院 やわらぎ」 鍼灸・脉診流漢方はり・小児はり

***************************************************************************************
    ☆☆ やわらぎ日和 バックナンバー ☆☆

   <最新の10件のバックナン バーはこちらへ>   <それ以前のバック ナンバーはこちらへ>

***************************************************************************************
冬至 2003年 12月22日(月)  No.048
 
いよいよ、冬至(とうじ)になりましたね。
冬至とは「日短きこと至る(きわまる)」を意味します。
つまり一年中で昼間が最も短かい日ということです。
この日より、日が伸び始めることから、古くはこの日を年の始点と考えていました。

冬至の日には、各地で様々なお祝いの行事が行われますが、それは、中国の陰と陽への信仰にさかのぼります。
陰と陽は生活のバランスと調和を表します。
陰の暗く冷たい性質はこの時期にもっとも顕著になると信じられていますが、同時に陽の光と温かみへの変化が始まるターニング・ポイントでもあるのですね。

古代の人たちは、冬至の前後になると太陽の力が弱まり、人間の魂も一時的に仮死する。陰の力が極まれば万物すべてが衰えて死に、太陽が再び帰り来る「一陽 来復」によってよみがえると考えていたそうです。
その「一陽来復」を祈り、感謝を捧げる古代信仰は日本に限らず世界の多くの民族に共通したもののようです。

日本において、今もなお見られる風習としては。

冬至の日に、「冬至南瓜」を食べて金運を祈り、「冬至風呂」(柚子湯)に入って、無病息災を祈るというのがありますね。
各家庭でもなじみのある風習だと思いますが。

冬至の日に南瓜(かぼちゃ)を食べると、厄除けになる、風邪をひかない、中風にならない、しもやけにならないなど・・・と言われます。
実際、南瓜には、カロチンやビタミンが多く含まれていて、栄養学的にみても、根拠がないわけではなさそうです。
冬にビタミンなどの供給源が不足した時代は南瓜は貴重なものだったようですね。

「冬至かぼちゃに年とらせるな」とうことわざをご存知でしょうか?

昔は、今のようにいつでも野菜が手に入る状況ではなかったので、夏に収穫した野菜を、大切に保存して、冬に備えていました。
しかしながら、いくら保存がきく南瓜だからといっても、冬至頃までが限度。
それ以上置いておいたら栄養価下がるし、味も落ちる一方ですよね。

だから、「南瓜に年を越させたらいけない、年内に食べてしまいなさい。」ということが、そんなことわざとなって今に伝わったというわけです。
昔の人にとっては、冬至の日が、最後の保存南瓜を食べられる日だったのですね。

「冬至風呂」は、厳しい寒さの中でも健康に暮らせるようにと、浴槽に柚子(ゆず)を浮かべてはいるお風呂のことです。
柚子湯は、風邪を防ぎ、皮膚を強くするという効果があります。
「冬至」は湯につかって病を治す、つまり、「湯治(とうじ)」にかけています。
また、「柚子」は「融通(ゆうず)が利くように」との願いが込められています。
江戸庶民から生まれた風習のようですね。

「柚子湯」に入ると肌がスベスベになる美肌効果があったり、冷え性やリュウマチにも効くし、体が温まってカゼをひかないとも言われます。

これらの効能は、柚子に含まれている芳香成分、精油の働きによるものです。
柚子の精油に含まれるピネン、シトラール、リモネンなどの物質が、新陳代謝を活発にして血管を拡張させて血行を促進させ身体を温めます。
また、リモネンはお肌の保湿効果も抜群です。更に、ノミリンなどの鎮痛・殺菌作用で、風邪の予防も大丈夫ですね。

柚子の良い香りは、アロマテラピーとしても使えるし、驚くべき柚子パワーです。
是非、この南瓜と柚子を上手に利用してみて下さいねっ。

そうそう、冬至が過ぎると、すぐにクリスマス、そして年末年始。
Merry Christmas & Happy New Year!
皆さまにも、サンタが幸せを運んできてくれますように。


<リストのページに 戻る>

*************************************************************************************************
  編集責任: 飯谷 和彦     「はり院 やわらぎ」  鍼灸・脉診流漢方はり・小児はり
 
  〒496-0901 愛知県海部郡佐屋町佐屋堤西12-13
  電話:0567-27-0315

  http://www.yawaragi.info/
  e-Mail: info@yawaragi.info

*************************************************************************************************